19センター試験数ⅠAの分析

2019年センター試験数ⅠAの分析をしたいと思います。なお,選択問題は選択者が多いと思われる確率[第3問]と整数問題[第4問]とします。

第1問[1]数式処理の問題。平方根の中が平方完成できる式になっている場合,根号をはずすときには絶対値をつけなければならないことに注意。次に,絶対値の外し方が問題になっていて,その中の式が0になるときの文字の値を基準に場合分けをしてはずす。ただ,本問では,場合分けの基準が見えているので解きやすい。最後は,単なる1次方程式だが,場合分けの範囲に,求めた値が乗るかをチェックすることを忘れずに。
[2]論理の問題。(1)「AかつB」の否定は「(Aでない)または(Bでない)」であることに注意。(2)条件の必要性・十分性を問う典型問題。題材が整数の偶奇にかんするものなので,具体的な数を思い浮かべれば解きやすいと思う。また,必要性・十分性を考えるとき,もとの命題と同値な対偶命題を使えば,よりすっきり判断できる場合もあるので,対偶命題の作り方もチェックしておこう。
[3]2次関数の典型問題。ひねりもないので,素直に解けるはず。これが難しいと思う人は要注意。

第2問[1]三角比に関する典型問題。これも第1問[3]と同様に,素直に解ける問題。補角の三角比の値に注意。
[2]統計に関する問題。小問はいずれも計算しないで解ける。箱ひげ図の見方,平均値,分散,標準偏差の意味を理解していれば容易に解ける。(3)は,いわゆる偏差値を算出するときの変数変換がテーマ。平均値0,標準偏差1は常識レベル。最後の散布図を選ぶ問題は,分布が図4と同じになり,スケールが変わることと,標準偏差が1となることから判断する。

第3問 確率に関する典型問題。構造も簡単なものなので解き易いが,計算が面倒。時間に追われるかもしれない。ただ,例にもれず,前の設問の解答を順次使いながら解くので,どこかで計算ミスするとその後は全滅になるので注意が必要。

第4問 不定方程式に関する問題。整数解の一つを求めることが大切だが,逐次代入する方法では時間がとられてしまい,後半の出題でも時間に追われる。ユークリッドの互除法の手法を使って,不定方程式をもう少し小さな数のものに帰着させるのがよい。(3)が一見,前とのつながりがないように感じられるが,一番最後でしっかりつながってくる面白い出題。

【総評】全体的に,数ⅠAの典型問題で,解き易い内容になっている。ただ,計算が面倒だったりするので,日ごろから計算力をつける練習もすべきだ。平均点は去年並みか若干上回ると予想する。

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