令和2年沖縄県立高校入試分析と対策

【国語】

<構成>

第1問【小説】,第2問【説明文】,第3問【古典】,第4問【会話文・作文】で,構成に変化はない。

<難易>

選択問題は,小説と説明文で選択肢がまぎらわしく,若干難化した。記述問題は,自分の言葉で答える問題が1題で,本文と資料を複合的に考えなければならないので難しい。全体としては難化している。

<分析>

小説は,本文だけで登場人物の心情の変化を読み取ることが難しい。選択問題の選択肢をヒントに,物語の流れを振り返るのも一つの解き方であるが,今回はその方法での解法が有効かもしれない。

説明文では,問7の記述問題が本文と資料の二つを内容的にまとめて解答しなければならないため難しい。「新たな社会」「異なる価値観」「議論を重ねる」「共有できる部分を見つけ出す」「新しい概念を生み出す」などがキーになる。

古典は対訳を参照すれば比較的解き易い。

会話文は「来場者へのおもてなし」を中心に話が展開していることがポイントで,流れは追いやすいものとなっている。ただ,問4の「拝啓」で始めた文書を「敬具」で締めるという知識は,盲点だったかもしれない。

<対策>

分析でも述べたが,国語の問題の解き方として,選択問題の選択肢をヒントに,本文を見直すというものもある。効率が悪いので,この方法を主たる解法にしてはならないが,日頃の学習としては,練習しておく必要があるだろう。これは学校の授業だけでは練習が難しいものなので,塾や問題集で練習するしかないだろう。

<平均点予想>

28点~30点と予想する。(昨年の平均点35.0点)

【理科】

<構成>

第1問【生物分野→物理分野】,第2問【地学分野】,第3問【物理分野→生物分野】,第4問【地学分野→物理分野】,第5問【生物分野→化学分野】,第6問【化学分野→生物分野】,第7問【地学分野→地学分野】,第8問【物理分野→化学分野】で,問題の配列に変化があった。ここで,【 】内の矢印は「昨年→今年」の変化を表す。

<難易>

昨年同様,問いの導入文が長い問題があり理解に時間がかかること,計算問題が増えたことなどから難化。

<分析>

物理分野はフックの法則および浮力に関するもの,それに電気回路に関するものが出題された。フックの法則も浮力に関するアルキメデスの原理も問題文中に示されているが,それぞれが本質をしっかり理解していないと解けないもので,難しい。電気回路の問題は標準的。

地学分野は天体の運行,岩石と地層に関する出題。太陽の南中時刻を求めるのに必要なデータを選ばせる,新傾向の問題があった。それ以外は,ほぼ基本的な出題。

生物分野は動物の分類,体のつくり,神経系に関してと,植物の分類,生態系に関する出題。いずれも,基本的な問いであるが,導入文が長くその内容の理解に時間がかかること,一部計算問題があることで難しいセットになっている。

化学分野は塩酸の電気分解と,炭酸水素ナトリウムに関する分解・中和に関する出題。ここでも導入文の実験内容を理解するのに時間がかかると思う。一部,計算問題もあり難しい。

<対策>

理科の用語を暗記するだけでなく,その意味もしっかり理解し,計算が必要なものは,その原理までさかのぼって学習すること。今後の急速に変化する社会に対応するためにも,本物の理科の力をつけることが,ますます重要になってくる。

<平均点予想>

22点~24点と予想する。(昨年の平均点25.0点。)

【英語】

<構成>

第1問・第2問・第3問【リスニング】,第4問・第5問【空欄補充】,第6問【語句整序】,第7問【文整序】,第8問【図表問題】,第9問【会話文】,第10問【長文】,第11問【作文】で構成に変化はない。

<難易>

小問数が40問→43問と増加したが,図表問題,会話文,長文とも話題を追いやすく,さらに,作文は語群があるなどで書きやすい。難易は昨年並み。

<分析>

図表問題では,地図中にいろいろなlandmarkが示されているが,要は道順をたどっていけるかどうかの問題。会話文はオリンピックの聖火リレーが題材で,話の流れも理解しやすいだろう。長文はSNSに関する身近な話題である。難しい単語は訳注がついているものの,流れを追うのが難しかったかもしれない。英作文は,ヒントがある上,主語と動詞をつなげた単純な文で答えられるものもあって,いつもは作文で点数が取れないない人でもいくらかは答えられたのではないだろうか。

<対策>

今年はリスニングに一部,いままでと形式の違うものがあったものの,話す・聞く・書くという総合力が試される出題は,昨年と同様である。まずは設計図にあたる文法を確実に理解することから始めよう。

<平均点予想>

 26点~28点と予想する。(昨年の平均点26.7点)

【社会】

< 構成>

第1問【地理分野】,第2問【地理分野】,第3問【歴史分野】,第4問【歴史分野】,第5問【公民分野】,第6問【公民分野】で昨年に比べ大問が一つ少なくなった。

<難易>

小問数が45問→42問に減少したが,配点の高い記述問題が昨年より多くなり難化した。

<分析>

出題形式は例年通りであるが,複数の問題を一つの選択肢で選ばせる問題が昨年の10問から1問に激減し,使用する言葉をいくつか指定しているが,自分の言葉で答えなければならない記述問題が昨年の2問から4問に増加している。しかもそれぞれ,問題意識を持って勉強していないと,正解を考え出せないものとなっている。

<対策>

やはり何と言っても暗記がものをいう科目ではあるが,一つ一つの学習項目について,しっかりと自分の言葉で説明できる練習をしておきたい。

<平均点予想>

 25点~27点と予想する。(昨年の平均点31.6点)

【数学】

<構成>

第1問【基礎的計算】,第2問【小問集合】,第3問【確率】,第4問【作図】,第5問【文字式を使った証明】,第6問【1次関数】,第7問【反比例のグラフと図】,第8問【平面図形】第9問【空間図形】,第10問【規則性の問題】

<難易>

問題数が40問→41問に増加した。難易は昨年よりやや易化。

<分析>

今年は,2次関数に関する出題がなかった。第8問の問2は新傾向の問題で,図形に関する正しい記述を選ばせる問題。思考力が試される。第10問の規則性の問題が,コンピュータの動作にからませての出題で工夫がうかがえる。ただ本質は,3で割った余りで数を分類しそれらの和について,さらに分類できるかである。

<対策>

問題集などで標準的な入試問題を解き,実践的な力をつけるとともに,国語の力になるのかもしれないが,問題文が長くなったりしても題意を読み取れる読解力を付ける必要がある。

<平均点予想>

28点~30点と予想する。(昨年の平均点28.9点)

平成31年度沖縄県立高校入試分析と対策

【国語】

<構成>

第1問【小説】,第2問【説明文】,第3問【古典】,第4問【会話文・作文】で,構成に変化はない。

<難易>

選択問題は選択肢にまぎらわしいものが少なく,若干易化した。記述問題は,自分の言葉で答える問題2題とやや難。全体としては昨年並みの難易度と思われる。

<分析>

選択問題は,選択肢にまぎらわしいものが少ないが,キーワードを読み落とすと間違う可能性もあり,しっかり読む必要がある。

記述問題は3題。そのうち1題は字数制限をもとに本文中の語句を使って答えるもので和歌の引用の意図が読み取れれば簡単。もう2題は,自分の言葉で答える形式で,言葉の選び方のセンスが問われる。

<対策>

文章全体を方針もなく読むのでは,後で何度も読み返すことになり効率が悪い。ほとんどが,文に傍線をふって,それに関する設問となるので,傍線がふられていたらその都度問題文を確認し,傍線部分の全体構成の中での位置を確認しなが読むようにするのがいい。日頃から,比較的短い文章で書かれた問題にあたり,そのような読み方を練習しておくことが大切である。

<平均点予想>

31点~33点と予想する。(実際の平均点35.0点)

【理科】

<構成>

第1問【生物分野】,第2問【地学分野→化学分野】,
第3問【化学分野→物理分野】,第4問【物理分野→地学分野】,
第5問【生物分野】,第6問【地学分野→化学分野】,
第7問【物理分野→地学分野】,第8問【化学分野→物理分野】
で,問題の配列に変化があった。
ここで,【 】内の矢印は「昨年→今年」の変化を表す。

<難易>

記述問題は5題から1題と減少したが,問いの導入文が長い問題もあり理解に時間がかかるため,難易度は昨年並みになると思われる。

<分析>

前述したが,問いの導入文が長い問題もあり,問題文の設定を理解するのに時間がかかる場合もあったかも知れない。ただ,一旦その主旨が理解できれば標準的な出題がほとんどである。大問3のレンズに関する問題は,本質的な理解ができていないと解答するのが難しい。

<対策>

実験の目的,結果から結論付けられることなど,日頃の授業で意識して学習しよう。理科的な現象といえども,必ず言葉で表現できるものだから,それぞれの現象を言葉で説明できるようにしておくことが大切である。

<平均点予想>

24点~26点と予想する。(実際の平均点25.0点。)

【英語】

<構成>

第1問・第2問・第3問【リスニング】,第4問・第5問【空欄補充】,
第6問【語句整序】,第7問【文整序】,第8問【図表問題】,
第9問【会話文】,第10問【長文】,第11問【作文】で構成に変化はない。

<難易>

小問数が38問→40問と増加したが,図表問題,会話文,長文とも話題を追いやすく,さらに,作文は語群があるなどで書きやすい。昨年に比べ易化した。

<分析>

図表問題のBBQ PlanはPlanの違いが単純でわかりやすい。会話文は空手が題材で,話が追いやすいし,simultaneouslyという難しい単語の意味を問う問題も,選択肢が単純で正解しやすいだろう。長文はYouTuberに関する身近な話題であるが,将来の社会について述べていて,難しいと感じられたかもしれない。英作文は,ヒントがちりばめられていて,答えやすい。

<対策>

今後,話す・聞く・書くという総合力が試される出題がますます増加するだろうが,まずは設計図にあたる文法を確実に理解しよう。

<平均点予想>

28点~30点と予想する。(実際の平均点26.7点)

【社会】

< 構成>

第1問【地理分野】,第2問【地理分野】,第3問【歴史分野】,
第4問【歴史分野】,第5問【公民分野】,第6問【公民分野】,
第7問【公民分野】で構成に変化はない。

<難易>

小問数が48問→45問に減少した。難易度は昨年よりやや易化した。

<分析>

概ね,例年通りの出題であった。第4問の歴史問題が,新渡戸稲造個人の生涯とからませて,歴史を振り返るという面白い構成になっている。また,今年の出題では,複数の問題を一つの選択肢で選ばせる問題が昨年の6問から10問に増加した。この型の問題は,確実にわかる問題をヒントに,他の問題を考えることができる。そのため受験生にとっては正解選択肢が絞りやすくなるという特徴がある。

<対策>

やはり何と言っても暗記がものをいう科目であるから,受験勉強の中で,早いうちからコツコツ学習を積み重ねる必要がある。

<平均点予想>

30点~32点と予想する。(実際の平均点31.6点)

【数学】

<構成>

第1問【基礎的計算】,第2問【小問集合】,第3問【統計】,第4問【作図】,
第5問【場合の数・確率】,第6問【1次関数】,第7問【2次関数】,
第8問【平面図形】第9問【空間図形】,第10問【規則性の問題】

<難易>

問題数が42問→40問に減少した。内容的にも昨年より易化した。

<分析>

どの問題も定型的で,受験生が一度は解いたことのある問題のセットとなっている。第10問の規則性の問題は,文字を使って一般化するよりも,駒を一列に並べその下に裏返すしるしをつけながら,回数を追いかける図を作ると把握しやすい。

<対策>

日頃の教科書の学習に加え,問題集などで標準的な入試問題を解き,実践的な力をつけておきたい。

<平均点予想>

32点~34点と予想する。(実際の平均点28.9点)

国語の勉強法?その1

よく,国語はどうやって勉強したらいいのかわからない,という声を聞きます。

確かに日常使っている言語の学習なので,あまりに身近過ぎて,いまさら学習などと言われてもピンとこないとうことなのでしょう。ただ,畢竟,与えられた文章の内容を把握し理解することがその目標なので,その方向で考えるなら,勉強法はあると言えます。

段階を追って考えると,まず第一に指示語(これ,それ,その等々)の内容を確認しながら文章を読むということです。私たちがざっと流して文章を読むとき,案外,それができていないことが多いのではないでしょうか。(ここまでにも,指示語が使われていますが,その示す内容は確認できていますか?)

筆者は,自分の主張を繰り返し,これでもかこれでもかと述べるのが普通です。ただ,同じ事を何回も何回も文章の中に登場させると,くどくて読みにくい文章になってしまいます。そこで使われるの指示語です。ですから,指示語の内容を確認することで,筆者の主張がだんだんと見えてくるのです。また,その事が,文章を正確に読むことにつながるのです。

さて,さらに第二,第三・・・と続くのですが,今回はここまで。とにかく,まずは指示語を意識して文章を読んでみましょう。

勿論,今回の内容は現代文についてであり,古文・漢文については改めて話題にしていきます。

平成30年度県立高校入試分析と対策

【国語】
 <構成>
 第1問【小説】,第2問【説明文】,第3問【古典】,第4問【会話文・作文】で,構成に変化はない。
 <難易>
 記述問題が2題→3題と増加したが,難易は昨年並み。
 <分析>
 「当てはまらないもの」を選ばせるという出題の工夫が見られた。
 <対策>
 今後は,与えれらた文章や資料をもとに,自分の考えを自分の言葉で述べる力が試される問題が
 確実に増加する。「これは何だろう。」「どういう事だろう。」という問題意識をもち,それを
 文章で表現する訓練を日頃から行う必要がある。
 <平均点予想>
 31点~33点と予想する。(昨年の平均点31.5点)[実際の平均点33.5点]

【理科】
 <構成>
 第1問【生物分野】,第2問【地学分野】,第3問【化学分野】,第4問【物理分野】,第5問【生物分野】
 第6問【地学分野】,第7問【物理分野】,第8問【化学分野】で,構成に変化はない。
 <難易>
 記述問題が3題→5題と増加し,問題設定も複雑な問題があり難化した。
 <分析>
 第3問グラフの折れ線の意味の読み取りや第7問の定量的な出題が昨年に比べ難しい。
 <対策>
 実験の目的,結果から結論付けられることなど,日頃の授業で意識して学習しよう。単なる暗記では
 今後も確実に増加する応用力が問われる問題には対処できない。
 <平均点予想>
 24点~26点と予想する。(昨年の平均点32.8点。)[実際の平均点24.3点]

【英語】
 <構成>
 第1問・第2問・第3問【リスニング】,第4問・第5問【空欄補充】,第6問【語句整序】第7問【文整序】
 第8問【図表問題】,第9問【会話文】,第10問【長文】,第11問【作文】
 <難易>
 小問数が31問→38問と増加し,会話文と長文の語数も増加したため難化した。
 <分析>
 長文の語数が増加したのに加え,題材がアカモクという海藻に関するものでなじみの薄い題材であった。
 さらに,注釈された単語数も去年の倍になっており,一層読みづらかったものと思われる。
 <対策>
 今後,話す・聞く・書くという総合力が試される出題がますます増加するだろうが,まずは設計図に
 あたる文法を確実に理解しよう。
 <平均点予想>
 27点~29点と予想する。(昨年の平均点31.0点)[実際の平均点27.5点]

【社会】
 <構成>
 第1問【地理分野】,第2問【地理分野】,第3問【歴史分野】,第4問【歴史分野】,第5問【公民分野】
 第6問【公民分野】,第7問【公民分野】で構成に変化はない。
 <難易>
 小問数が50問→48問に減少したが,難易は昨年並み。
 <分析>
 第7問は去年同様「沖縄県の課題」に関する出題だったが,ことしはより深く掘り下げたものに
 なっていた。問4は「平和の礎」の建設を行った元知事の名前を問うものだったが,学習していない
 受検者もいたのでは。
 <対策>
 ひとつひとつの知識を身につけるのは当然だが,それらを有機的につなげていく作業も必要になる。
 融合問題の練習を積んでいくことで有機的なとらえ方の感覚を身につけよう。
 <平均点予想>
 30点~32点と予想する。(昨年の平均点31.4点)[実際の平均点29.1点]

【数学】
 <構成>
 第1問【基礎的計算】,第2問【小問集合】,第3問【統計】,第4問【平面図形の証明】
 第5問【場合の数・確率】,第6問【1次関数】,第7問【2次関数】,第8問【平面図形】第9問【空間図形】,
 第10問【規則性の問題】
 <難易>
 問題数が46問→42問に減少したが,難易は若干難化。
 <分析>
 証明問題は易しい反面,回転体の体積や体積の比に関する問題が難しく難易のバランスを保っている。
 <対策>
 まずは,計算を確実にできるようにすること。その上で,各分野の典型問題を徹底して練習することで
 ある。また,考えることを面倒くさがらないということも意外に大切。
 <平均点予想>
 27点~29点と予想する。(昨年の平均点29.4点)[実際の平均点31.6点]

平成29年度県立高校入試分析と対策【国語】

【分析】

1問[文学的な文章]

宮下奈都『窓の向こうのガーシュウィン』(一部改変)からの出題。

1枚CDをめぐる父と娘の心の交流を描いたストーリー。

「私」の気付きや心情の変化に注意しながら読むとよい。

6はストーリー展開を押えないと安易な解答をしてしまいそうだが,

残りの設問はわかりやすく,得点しやすいだろう。

2問[説明的な文章]

ちくまプリマ―新書『なんのために「学ぶ」のか〈中学生からの大学講義〉1』所収 

小林康夫「学ぶことの根拠」(一部改変)からの出題。

3は「自分ではどうしようもない宿命的なズレ」を感じる理由を答えさせる空欄補充問題。

傍線部のある段落にはズレの内容は書かれているが,理由は書かれていない。

次の段落の最後の「ズレを感じる理由だ」に注意。

この段落には理由となるものが繰り返し言葉を変えて出てくるので,

その中から二十字という字数をみたすものを選ぶ。

4(2)は,現代の人間に「二重の学び」が宿命づけられている理由を

「ズレ」「自分」「世界」の3つの語句を用いて,二十五字以上三十字以内で

答えさせる問題。これは,傍線部の前後だけでなく,問題文全体の文脈から

その理由を考える必要があるため,難しい。

3問[古文・漢文に関する文章]

古文:『徒然草』第百三十段 漢文:『荀子』からの出題

古文,漢文とも学問継続の不可欠さを述べたもの。

いずれの設問も易しく全問正解できる問題。

4問[話すこと・聞くことに関する文章(作文を含む)]

山下洋輔,茂木健一郎『脳と即興性 不確実性をいかに楽しむか』(一部改変)

2人の対談の流れを押える問題。具体例とそれに関する対話者の考えを述べる形で対話が進み,

論旨も把握しやすい。

4は「独創」の対義語を答える知識問題。「模倣」とは「まねること」で「独創」の対義語。

作文は,問題文および2つの資料から読み取れることを書く作文1と,

日本人は独創的・創造的か自分の意見を書く作文2の二本立てになっており,新傾向。

ただ,従来の作文も二段落構成で,最初の段落で客観的な分析をし,次の段落で

自分の意見を述べる出題もあったので,それを明確に二本立てにしただけとも言える。

【予想平均点】

35点~40点で昨年より高くなると予想される。

実際の平均点 31.5点

【対策】

今後は,与えれらた文章や資料をもとに,自分の考えを自分の言葉で述べる力を試される問題が増加しそうである。

日ごろから,「これは何だろう。」「どういう事だろう。」という問題意識をもち,

それを文章にする訓練をしておくべきである。

平成28年度県立高校入試分析と対策【国語】

【分析】
第1問
[文学的な文章]
三浦しをん『風が強く吹いている』からの出題。
登場人物の複雑な心理の変化がなく,ストーレートな展開の文章で,
理解しやすい。
設問の選択肢も,まぎらわしいものがなく答えやすかっただろう。
語彙知識としては,この文章における「起爆剤」の意味や「値踏み」の意味が
わかっている必要がある。

第2問
[説明的な文章]
桐光学園+ちくまプリマ―新書編集部編『考える方法〈中学生からの大学講義〉2』(一部改変)からの出題。
問2の文法問題の「の」は「もの」と言い換えて考えるとよい。
文章の展開はA→Bで,AとBは逆のことを述べている。そして,AとBを
「一旦Aを認め,しかしBである」というようにつなげ,Bをより強調した構造になっている。
この構造が読めれば論旨は把握しやすいだろう。

第3問
[古文・漢文に関する文章]
古文:『万葉集』巻二十 防人の歌,漢文:王之渙『涼州詞』からの出題
古文,漢文とも親しい人との別れを歌ったもの。
先生と生徒の会話文も読解のヒントになっている。

第4問
[話すこと・聞くことに関する文章(作文を含む)]
藤原雅彦・小川洋子『世にも美しい数学入門』(一部改変)
2人の対談の流れを押える問題。数学や物理の難しい用語も出てくるが,
要は,数学の真理の不変性,真理に到達するための想像力について語っている。
問6は楷書に関する独立問題で,知識問題。
作文は,想像力の必要性について,論じさせ,
想像力を豊かにするためにはどうすればよいか考えさせるもの。
これは,本文から想像力の必要性を引き出し,論じるとしても
短い時間でまとめるのは少し難しいだろう。

【対策】
やはり,文脈のとらえ方が一番重要で,日頃から文章は,なんとなく読むのではなく,
語と語のつながり,段落と段落のつながりを考えながら読む必要がある。
そして,新聞のコラム等を利用して,語彙力を増やすことも欠かせない。
また,わからない言葉が出てきたら調べるくせをつけよう。