【分析】
第1問
[文学的な文章]
三浦しをん『風が強く吹いている』からの出題。
登場人物の複雑な心理の変化がなく,ストーレートな展開の文章で,
理解しやすい。
設問の選択肢も,まぎらわしいものがなく答えやすかっただろう。
語彙知識としては,この文章における「起爆剤」の意味や「値踏み」の意味が
わかっている必要がある。
第2問
[説明的な文章]
桐光学園+ちくまプリマ―新書編集部編『考える方法〈中学生からの大学講義〉2』(一部改変)からの出題。
問2の文法問題の「の」は「もの」と言い換えて考えるとよい。
文章の展開はA→Bで,AとBは逆のことを述べている。そして,AとBを
「一旦Aを認め,しかしBである」というようにつなげ,Bをより強調した構造になっている。
この構造が読めれば論旨は把握しやすいだろう。
第3問
[古文・漢文に関する文章]
古文:『万葉集』巻二十 防人の歌,漢文:王之渙『涼州詞』からの出題
古文,漢文とも親しい人との別れを歌ったもの。
先生と生徒の会話文も読解のヒントになっている。
第4問
[話すこと・聞くことに関する文章(作文を含む)]
藤原雅彦・小川洋子『世にも美しい数学入門』(一部改変)
2人の対談の流れを押える問題。数学や物理の難しい用語も出てくるが,
要は,数学の真理の不変性,真理に到達するための想像力について語っている。
問6は楷書に関する独立問題で,知識問題。
作文は,想像力の必要性について,論じさせ,
想像力を豊かにするためにはどうすればよいか考えさせるもの。
これは,本文から想像力の必要性を引き出し,論じるとしても
短い時間でまとめるのは少し難しいだろう。
【対策】
やはり,文脈のとらえ方が一番重要で,日頃から文章は,なんとなく読むのではなく,
語と語のつながり,段落と段落のつながりを考えながら読む必要がある。
そして,新聞のコラム等を利用して,語彙力を増やすことも欠かせない。
また,わからない言葉が出てきたら調べるくせをつけよう。